B.設立趣意

設立趣意
 ヒトは生まれながらにして何らかのハンディキャップを甘受(かんじゅ)すべく存在していると言っても過言ではありません。先天的あるいは後天的にしろ、心身のハンディキャップは程度と重篤性(じゅうとくせい)に差はあっても、意識するか否かに差はあっても、存在するものであります。

 疾病・事故・外傷、あるいは加齢による退行性変性(たいこうせいへんせい)によるハンディキャップの発生は誰にも惹起(じゃっき)し得るし、ましてや加齢による心身の低下は等しくヒトの身に降り掛かる真実であり、いずれ迎えざるを得ない現実であります。身体障(しんたいしょう)がい・知的障(ちてきしょう)がい・精神障(せいしんしょう)がいや廃用症候群(はいようしょうこうぐん)等によって要介護状態にある者、また病に冒された人々を、統一的な概念として把握するためにハンディキャップ・パーソン(handicapped persons)と称したいと考えております。

 疾病・身体的・知的・精神的・社会的・経済的にハンディキャップを有する者は多く存在いたします。ハンディキャップを異常と把握するのか、もしくは、ある一定程度の個性と把握するのかによって、向後の社会観や人生観は変化しうるのかもしれません。施設入所者もまた、疾病を原因としたり、あるいは他の事象を原因として経済的あるいは社会的にハンディキャップを有して施設に入居されているのでありましょう。

 彼らを対象として、若年・壮年・中年・高年者がともに利用者として施設内の看護や介護及び機能訓練、あるいは建物内外の運動施設を有効に活用し、在宅療養支援診療所の訪問診療や往診、訪問看護・訪問介護等という手段で集うことによって、擬似(ぎじ)ミニ社会(村)を創設(そうせつ)したいと考えております。これらは、私どもの施設内住居者のみならず近隣の高齢者にも敷延(ふえん)していけるものと考えます。地域との交流・貢献につながり、地域福祉の向上にも資するのではないかと考えております。